法務

9.NPO法人の理事会

NPO法人の理事会は、法律上必ず置かなければいけないものではありませんが、ほぼ全ての団体で設置されている会議体です。理事によって構成され、定款に定められた権限に基づいて、法人の意思決定を行い、業務を執行します。総会主導型の定款の場合はそこまででもありませんが、理事会主導型の定款である団体では、様々な権限を有する重要な機関となります。

 

総会と異なり、任意で設置されている理事会にNPO法上の縛りはあまりありませんので、ここでもやはり「定款」が重要になってきます。団体によっては定款では概要を記載し、詳細は別途「理事会運営規則」等で定めているところもあります。まずは自団体の定款を確認してみて下さい。

 

また、総会同様に、認定基準でも法令違反等の基準で、理事会の適正な運営は求められています。理事会の資料もなくさず整理しておくようにしましょう。

 

理事会議事録への押印

Q】理事会の議事録には個人実印の押印が必要ですか?

A定款で実印を押捺する旨定めている場合は別ですが、そうでなければ原則的には実印の押捺は必要ありません。但し、その議事録に基づいて役員変更登記などする場合は、登記所から実印を押捺した議事録(印鑑証明書添付)の提出を求められることもあります。ただし、実務的なテクニックとしては、次ページの参考記事にもあるように、議事録署名人の1人に代表理事等を選任し、法人代表印を押印してもらうことで他の署名人は認印でOKとなるので、一定の負担軽減を図ることができます。

 

代表理事との取引

Q理事個人や、理事が取締役(代表取締役)をしている会社等と取引する時は理事会に諮った方がいいですか?

Aはい、他に代表権を持つ理事がいて利益相反行為とならずに契約ができる場合であっても、理事会での検討と決議を経て取引・契約した方が良いでしょう。よくある問題事例の一つとして、NPO法人がその役員の経営する会社に対し、市場価格より高額な業務委託を行って利益を供与したり、逆にNPO法人の価値ある資産を役員へ無償譲渡してしまうなどがあります。

 

こうしたことを未然に防ぐためにも、特に代表理事・理事長との取引を行う際には、内容・金額の妥当性を検討した上で、特別利害関係者である代表理事・理事長を除いた他の理事で理事会決議を取っておく必要があります。その際には、相見積もり結果や相場・市場価格を示すチラシなど、客観的資料を集めて保管しておくとより安心です。 認定基準でも、役員との取引については申請書類に明記が必要な上、内容も妥当なものでなくてはいけませんので、注意しましょう。

 

 

 

●参考記事(http://www.npoweb.jp/modules/faq/index.php?content_id=52

先ほど述べた理事会の議事録への押印について、参考記事を転載します。

 

総会議事録には議長や議事録署名人の記名と押印をしなくてはならないのでしょうか。また、この時の印鑑は実印である必要があるのでしょうか。また、その場合、印鑑証明書の添付は必要でしょうか。

 

 設立総会の議事録は、認証申請時に所轄庁に提出することになっていますが、所轄庁では議事録署名人の自筆署名があれば押印は必要ないとしています。また、認証を受けた後に設立登記を法務局でしますが、この時には設立総会の議事録の提出は、普通は求められません。(ただし、定款に書いた事務所の所在地が、市や区などの最小行政単位までとなっている場合には、事務所の所在地を確認する書類として、法務局が設立総会の議事録の提出を求めることがあります)

 

 以下は、東京法務局で聞いた内容です。

 

 設立後の年次総会や臨時総会などで、役員が変更になったり、定款を変更するなどの場合、所轄庁だけでなく、その後に法務局でも変更登記が必要です。この時には、定款に沿って変更されたか否かを証明するものとして総会議事録の提出が求められます。法務局では、この時に議事録署名人の押印が必要としています。これは、たとえ定款で「議事録には、議事録署名人が、記名押印又は署名」と定めていたとしても、署名だけではなく押印が必要となるそうです。

 

 また、その時には基本的には議事録署名人は実印を用い、印鑑証明書も必要とされるそうです。ただし、その議事録署名人の一人が、すでに法務局に、法人印を使う代表者として届出ている人(この人は届出の時にすでに実印とその印鑑証明書を提出しています)であれば、その人がその登録している法人印を押印すれば、他の署名人は認印の押印で足りるのだそうです。

 

 これらのことから、議事録署名人の一人には、法務局において法人印を使用する代表者として届けている人になってもらえば、印鑑証明書提出の手間が省けるということになります。

 

 以上は、東京法務局のお話ですが、実はそれぞれの法務局によって取り扱いが異なることがよくあります。そのため、その都度、管轄の法務局に確認をされることをお勧めいたします。

 

このページの先頭へ