会計・税務

1.NPO法人の会計

一口に会計と言っても管理会計・財務会計・税務会計などの種類があり、会計基準や慣行も様々です。NPO法人の会計では、一般的な企業会計との違いを押さえることが大切となってきます。NPO法人の会計では、資源提供者や一般市民に対する情報公開・説明責任(アカウンタビリティ)が重視されています。

 

認定基準上も、直接的に「青色申告法人」と同等水準の会計が求められている他、PSTや共益基準、70%80%基準などが会計報告を根拠に判定を行うことから、間接的にも会計は大きな役割を担っており、認定取得を左右する最も重要なポイントです。

 

企業会計との違い

Q】企業会計とNPO法人会計の大きな違いは何ですか?

A】いろいろな違いがありますが、「様々な区分が求められる」点が挙げられます。もちろん企業会計でもNPO法人会計でも共通するベース部分はそこまで違いませんが、NPO法や税務、支援者などからの要請で、以下のような区分経理が求められてきます。企業会計経験者の方がNPO法人の会計を担当すると、これら企業にはない区分経理に戸惑ってしまい、よく考えず計上してしまうこともありますが、それぞれの区分には背景と意味がありますので、手引きや参考書籍などを通じて学習を進めて下さい。

  • ●「特定非営利活動事業」と「その他の事業」
  • ●「事業費」と「管理費」
  • ●「人件費」と「その他経費」
  • ●「収益事業(課税事業)」と「非収益事業(非課税事業)」
  • ●(複数事業を行っている場合)「A事業」と「B事業」と「C事業」・・・
  • ●「助成金・補助金・使途が限定された寄付金等」

これらは、使用目的や配分方法、使い切るまでの期間、使い切れなかった場合の処置等を、資金提供者と約束して受け取っています。収益においても、資産においても、区分経理し、他に流用しない管理が必要です。「お金に色が付いている」と考え、その色ごとに管理が求められていると思って下さい。なお、実費精算方式等で返済の可能性がある資金については、「前受助成金」等として負債に計上し、使った分だけ収益に振替えるようにしましょう。

 

会計に関する認定基準

Q】認定で求められる「会計」の基準はどのようなものですか?

A】会計体制に直結する基準として「青色申告法人と同等に取引を帳簿に記録し保存していること」が求められています。具体的には、複式簿記での経理や総勘定元帳等の作成・保存などが必要です。帳簿だけでなく、領収書や契約書などの会計証憑(しょうひょう)もきちんと保管しておくことが重要です。

他に認定基準では、帳簿への虚偽の記載や使途不明金がないことなどが盛り込まれています。これに関連して、企業会計との違いに付け加えるとすれば、非営利性・公益性が高い法人格であることからくる「支出の制限・禁止」にも注意が必要です。認定基準では営利・宗教・政治関係者への寄付が禁じられています。また、法務の方でも述べたように、特に役員個人・関連会社等への支出はその妥当性を説明できるような根拠が必要となります。

 

会計担当者や会計ソフトの必要性

Q】認定取得には専任の会計担当者や会計ソフトが必須でしょうか?

A】いいえ、必須ではありません。認定NPO法人制度の特長の一つは、小規模法人でも取得が可能なところです。実際に、専任会計担当者無し・エクセル帳簿・年間収入50万円程度で取得した団体もあります。もちろん、上記の通り一定の経理・帳簿が必要になりますので、ある程度の事業規模になったら会計ソフトを導入した方が楽になりますし、会計担当者を置く方が良いと思います。

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