がれき撤去が進み津波到達点がぼやけている今、一日も早く津波到達点への桜の植樹をやりたいんです。
団体の目的と設立の経緯

2011年3月11日、東日本大震災が発生し、東北各地を津波が襲いました。陸前高田市は、約2万4千人の人口の内、9%の方を震災・津波の被害で亡くしました。

その少し後、地質調査により、実は1100年前にも、10mを超える津波が三陸沿岸を飲み込んだ記録や痕跡が分かったとされたのです。とても悔しい思いです。

過去120年間で今回の津波が4回目。先人たちは、津波到達点に2m×25センチの石柱を立てたりはしていたのですが、被害を少なくすることはできませんでした。

私は陸前高田市の出身です。発災直後、家族や知人の状況を確認したいし、メディアの安否状況は待っていられません。都内の高田出身者らの言付けを預かって、3月13日の深夜に東京を出発。14時間かかって、翌日の夕方に到着し、そのまま現地に留まって避難所の運営などに従事しました。震災緊急支援をする中、仲間の間で、津波の到達点を目に見える形で残したいと話題になりました。椿やハナミヅキのアイデアもありましたが、住民の癒しになるようにと桜になりました。

岩手県陸前高田市内の170kmに渡る津波到達地点に、10mおきに桜を植樹し、ラインに沿った桜並木を作ることで、後世の人々に津波の恐れがあるときはその並木よりも上に避難するよう伝承していこうとするのが、桜ライン311の活動内容です。

認定取得のきっかけと経緯

認定取得は、団体設立当初から目指していました。

追悼のための桜なので、それがお金になることについて、抵抗感がありました。桜を植えることについて、収益を生む活動とするのは、無理があります。すると、財源は、助成金か、寄付しかない。認定とっておくかどうかは、大きな違いになります。そんなわけで、寄付者から寄付を募るにあたり、認定は取れるなら取ったほうがいいと考えていました。

申請を受けるまでに2事業年度が必要ですが、既に認定取得をしている東京のNPOメンバーのノウハウも得て、最初の事業年度は2か月で済ませています。最短で認定になれるようなスケジュールを組みました。

認定申請に向けた取り組み

寄付者は多いので、最初から絶対値基準をクリアしていることは確信していました。認定申請の作業は私がメインで担当しましたが、寄付者の住所のとりまとめは大変で、また、厚みのある書類をまとめるのには苦労しました。シーズさんに相談して書類の添削してもらい、助かりました。

3か月ほど準備して、2014年2月に申請でき、平成26年5月1日、NPO法人設立から2年という速さで、岩手県内では5番目、震災以降の設立したNPO法人としては初の認定NPO法人になりました。

桜の植樹は、葉っぱが落ちてから芽吹くまでの期間なら木へのダメージが少ないことから、秋から春に向けて、積雪の季節は避けて植えるのが良く、11月、12月、3月、4月あたりが植樹のシーズンです。認定申請は、植樹作業と同時進行だったので忙しかった思い出があります。

今後の活用

5月末までに718本、169か所に桜を植樹できています。植樹に参加したボランティア参加の延べ人数は1707人に昇ります。「植樹」という活動が共感されるのか、40代よりも上の方のボランティアが多い傾向です。

現在植樹しているのは、すべて私有地です。陸前高田市内は8メートルの嵩上げ工事の真っ最中で、市の復興計画が決まるのが最優先事項ですから、土地の利活用が決まるピークはあと1年後となります。到達地点に個人の所有地だったとしても、所有権は市との等価交換になるので、そのあとは市との交渉となります。また津波が到達している気仙川沿いは、県の管理地です。津波到達地点の約6割は、行政管理地になりますので、県や市とは既に話し合いを持っています。

植樹の依頼をしようにも、コミュニティ自体なくなっているところもあります。桜の苗木を植えてからの管理、下草刈り、地権者の方への説明や協力依頼など人手がかかります。1万7千本の植樹が終わるのは、あと20年ほどかかる長期間のプロジェクトとなります。今はUターン組3人、Iターン組2人のスタッフ構成ですが、地元出身者の新卒採用なども近い将来できたらと思っています。

震災直後から活動していますが、復興計画の進み具合との兼ね合いもあり、現在の年間の植樹は350本のペースです。植樹のペースが遅いのではないかと寄付者の方に思われないように、活動報告会を、大阪、名古屋、東京で開くなど、伝えることに力を入れています。

今年秋には、市内の長部(おさべ)地区と小友(おとも)地区に新たに100本ほど植樹する予定です。また、市との復興計画方針が決まれば、小学校、中学校と合同イベントにして、陸前高田市の将来を担う子どもたちに植樹に参加してもらい、きちんと記憶に残してもらいたいと思っています。

2014年9月9日インタビュー
団体プロフィール

団体名/桜ライン311
法人設立年月/2012年5月(任意団体設立:2011年10月)
認定取得年月日/2014年5月1日
認定有効期間/2014年5月1日~2019年4月30日
スタッフ数/5人
事業規模/約2千9百万円
団体ホームページ/http://www.sakura-line311.org/

Another Interview
シーズの活動をご支援ください
Copyright 1994-2014 NPO 法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会 All Rights Reserved.
ページトップへ